ウイスキーと一言で表現されることが多いものですが、産地が違えばそれぞれに味も特徴があります。おもな産地として挙げられているのが日本・スコットランド・アメリカ・カナダ・アイルランドで「世界5大ウイスキー」と称されています。原産国により味も呼び方にも違いがありますので紹介します。
1.アメリカンウイスキー
はじめてウイスキーにチャレンジする人が選ぶことの多いのがアメリカ生まれのアメリカンウイスキーです。
バーボンウイスキーやテネシーウイスキーという名称の方が通じるかもしれません。
アメリカンウイスキーの大きな特徴として挙げられるのが、主原料がトウモロコシである点でしょう。
世界5大ウイスキーの中でもトウモロコシが使われているのはアメリカンウイスキーだけなのです。
●熟成方法も独特
ウイスキーは樽で熟成することで味わい深くなります。
新しい樽で熟成することはアメリカンウイスキーの特徴です。
トウモロコシが焼かれたような香ばしい匂いと甘いバニラが同時に漂ってくる独特の味です。
2.ジャパニーズウイスキー
言わずと知れた日本のウイスキーの原点は、スコットランドの技法を学び誕生したものです。
ですのでスコッチウイスキーの味とよく似ているとも言われています。
技術も高い日本製のウイスキーは、世界の名だたるコンテストでも1位に輝くほど品質が保証されているのです。
ジャパニーズウイスキーの特徴は、主原料の違いや使用する樽によって芳醇な香りが生まれるだけでなく、熟成期間も長くするなど独特の製法を用いています。
●種類も豊富なジャパニーズウイスキー
主原料や樽の熟成でその呼び方も違います。
「モルト・ウイスキー」
主原料が大麦麦芽だけを使用して、単式蒸留器で熟成したもので、ピートの香りが強く男らしい口当たりがします。
「グレーン・ウイスキー」
主原料が、トウモロコシとライ麦などの穀類です。
連続式蒸留器を用いてアルコール濃度を高めていきます。
「ブレンディッドウイスキー」
モルトウイスキーとグレーンウイスキーの原酒を混ぜてつくられたものです。
早い話がブレンドすることで多くても20種類以上を使い調合しています。
3.スコッチウイスキー
日本がはじめてウイスキー作りに挑戦する際にお手本にしたのがこのスコットランドで誕生したスコッチウイスキーです。
スコッチウイスキー規制という法案により、糖化・発酵・蒸留・熟成までの製作工程をすべてスコットランド内で行ったものだけをスコッチウイスキーと位置付けているのです。
また、原材料である大麦麦芽を乾燥させる工程では、ピート(泥炭)を使うことでスモークされたような独特の香りがします。
しかし16世紀ころには熟成する工程がなかったことから無色透明の液体がウイスキーとして飲まれていたと伝えられています。
●豆知識
蒸留工程で使われているのがポット・スチルです。
銅製の大きなポットのような装置が発酵からもろみまでいくつもの工程を行います。
日本に取り入れる際には同じ形のポット・スチルを作ってくれる業者がなかなか見つからなかったと言われています。
4.カナディアンウイスキー
カナダ産のウイスキーもやはりカナダの法律で守られています。
原材料の穀物(大麦麦芽・ライ麦・トウモロコシ)・デンプン分解酵素による糖化・酵母で発酵・容量が180リットル以下の樽で熟成・3年以上もの熟成期間 これらすべてが守られて作られたのがカナディアンウイスキーです。
5.アイリッシュウイスキー
アイルランド産のウイスキーもスコッチウイスキーと同じようにアイリッシュウイスキー法により守られています。
酵母の発酵・木製樽の指定・原材料により4種類に分かれています。
●ピュアポットスティルウイスキーj
モルトにしたものと未発酵の大麦やオート麦を配合して、単式蒸留器で3回蒸留します。
●モルトウイスキー
大麦麦芽が原材料で、単式蒸留器で2回あるいは3回蒸留します。
●グレーンウイスキー
穀物であるトウモロコシが主原料です。
コラムスティルで蒸留します。
それを連続式蒸留器蒸留します。
●ブレンデッドウイスキー
モルトの原酒とグレーンの原酒をブレンドしたもの
世界5大ウイスキーの中にもいくつもの蒸留所があり、原材料や蒸留工程も違いますので数えきれないほどの味が存在します。
好みの味を見つけるためにも世界中のウイスキーを試してみてはいかがですか。
- ウイスキーまとめ - ウイスキー入門編
- VIEW:1,409