ウイスキーは、世界中で作られている蒸留酒の一つであり、アルコール度数が約40%以上と強めなので、大人のお酒としても認識されています。近年、ウイスキーの消費量は増加していますが、そもそもウイスキーとは一体どんなお酒なのか、少し詳しくみていきましょう。
ウイスキーの基本の3要素
ウイスキーの定義
ウイスキーの定義は国によって異なります。
基本的な定義としては、
1. 穀類を原料としていること
2. 糖化・発酵・蒸溜を行っていること
3. 木製の樽で貯蔵熟成を行っていること
この3つの条件をクリアしているものになります。
原料穀物
原料の穀物としては大麦が一番多く、他にはコーンやライ麦、小麦も使われます。最近では、お米や、宇宙食として期待されているキヌアなども原料に使われています。
蒸溜酒
蒸溜は、穀物を糖化・発酵させた後に行う工程です。発酵によって生じたアルコールを含む液体を蒸発させ再び冷やすことで、アルコール度数を上げます。
木樽で熟成
実は、蒸溜したばかりのウイスキーは無色透明です。木樽で熟成することによって、ウイスキー特有の茶色や琥珀色になります。
味の変化が生まれるポイント
水
水は、他のお酒同様、ウイスキーにとっても重要な要素です。製造に用いる「仕込水」は、酒質、風味に大きく影響を与えるので、良い天然水はウイスキーには欠かせません。
穀物の種類
原料の穀物によって風味は大きく変わります。スコットランドや日本のウイスキーは、大麦麦芽(モルト)、アメリカやカナダでは、コーンやライ麦が多く使われ、それぞれの特徴を際立たせています。
ピート(泥炭)
スコットランド北部ヒースに多い、野草や水生植物などが炭化した泥炭のことをピートといいます。
ピートはモルトウイスキーには欠かせない香りづけの役割を担い、香味の印象を大きく左右するものです。 麦芽を乾燥させる際にピートの煙を使います。いぶした香りを麦芽につけ、ウイスキー特有の香りをつくるのです。
樽のタイプ
ウイスキーを熟成させる木樽には、ホワイトオーク、ミズナラなどのオーク(樫の木)が使われています。また、バーボンやシェリー、ワインなどの他のお酒を樽詰めしていた樽にウイスキーを入れて熟成させると、さまざまな風味がウイスキーにもたらされます。
蒸溜方法(蒸溜器)
ウイスキーづくりには、単式蒸溜器と連続式蒸溜器の2つの種類の蒸溜器が使われます。モルトウイスキーには、主に単式蒸溜器が使われますが、その姿かたちは蒸溜所によってさまざまです。
ウイスキーの種類
モルト
モルトウイスキーとは、大麦を発芽させた麦芽を原料にしてつくられたウイスキーのこと。シングルモルトウイスキーとは、単一の蒸溜所の原酒だけでつくったウイスキーを指します。
グレーン
グレーンウイスキーの「グレーン」は、穀類のこと。小麦やコーン、ライ麦などの穀類を原料にしています。大麦麦芽を糖化酵素として加え、発酵、連続式蒸留器で蒸溜したウイスキーのことです。
ブレンデッド
ブレンデッドウイスキーとは、モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒をブレンダーが混ぜ合わせたウイスキーのことです。まず、数種類のモルトウイスキーを混ぜ合わせます。(ヴァッティング)そこへさらにグレーンウイスキーを足し、複雑で独特な香味を生み出すのです。まさにブレンダーの技が光るお酒と言えます。
ウイスキーは穀物を原料とし、水や樽の影響を受けながら完成するお酒。味や香りは、水や樽の他にも、ピートや熟成の年数、飲み方によって大きく変化します。
気になるウイスキーと出会ったら、そのウイスキーが、モルトなのか、ブレンデッドなのか、どんな風味が特徴なのか、ぜひ調べてみてくださいね。
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