ウイスキーの香りを評するとき、「スモーキー」という表現を聞いたことはありませんか?スモーキーとは「燻製された」という意味ですが、ウイスキーの香りに使われる場合には、原料の穀物をピート(泥炭)で燻製してついた香りを指します。
そのスモーキーなウイスキーを代表するのが、スコットランドにあるアイラ島のウイスキーです。
「スモーキー」こそウイスキーの真骨頂!
スモーキーなウイスキーは一体どのようにつくられるのでしょうか?モルトウイスキーの原料は、大麦です。製造工程のはじめに、この大麦を発芽させ大麦麦芽をつくりますが、発芽した状態で大麦の成長を止めるためには乾燥させる必要があります。
ウイスキーづくりが始められた当時のスコットランドでは石炭を十分な量確保できなかったため、大麦を乾燥させるためにほかに燃料になるものが必要でした。それが、当時の家庭燃料として使われていたピートです。
ピートとは、ヒースというスコットランド北部の原野に多い野草や水生植物などが、炭化した泥炭のことです。スコットランドでは植物が何千年も堆積して炭化したできたこのピートを掘り出し、乾燥させ、燃料として使ったのです。このピートを使って乾燥させた麦芽を「ピーテッド麦芽」と言い、これを原料にウイスキーをつくると、スモーキーな香りがつきます。
「もっともスモーキー」と言われる、アイラ島のウイスキー
スモーキーな香りが特徴のウイスキーの一大産地、スコットランドのアイラ島。ウイスキー好きな人ならば、「アイラと言えばスモーキー」というイメージが定着しているくらいです。
しかし、なぜ、アイラ島のウイスキーがスモーキーの代名詞となっているのでしょうか?アイラ島は淡路島ほどの大きさの島ですが、驚くべきことに島の土地の約4分の1がピートです。さらに、スコットランド内にある他の土地のピートと比べ、アイラ島のピートはより強いスモーキーな香りをだせる良質なものだと評価されています。
つまり、スモーキーなウイスキーをつくることに必要なピートを大量に、しかも質の良いものが取れることから、アイラ島がスモーキーフレーバーの代名詞になったのです。
温暖で原料となる大麦の生育もよく、また海からの潮風が独特の風味をウイスキーにもたらしています。良質なピートに恵まれたアイラ島は、ウイスキー生産地として名を馳せているのです。
代表的なアイラ島ウイスキーの数々!
そんなアイラ島には、どんな名前のウイスキーがあるのでしょうか?2017年現在、稼働中の蒸溜所は8ヶ所あり、スコッチの中でも非常に有名なウイスキーがいくつもあります。いくつかおすすめのものをご紹介したいと思います。
ボウモア
ラフロイグ
ラガヴーリン
スモーキーなウイスキーは、最初はその香りの強さ、異質さから敬遠されがちです。しかし、一度慣れてしまえば、これ以外飲みたくないという人が続出するほど魅力にあふれたウイスキーです。
ウイスキーに慣れてきたら、ぜひスモーキーな香りが特徴的なアイラ島のウイスキーにもチャレンジしてみてくださいね。
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