のん兵衛のおすすめウイスキー#10「ジェムソン」の特徴

今回のお題は「ジェムソン」です。
これまで登場してきたスコッチ、バーボン、ジャパニーズとは異なる「アイリッシュ・ウイスキー」に種別されます。
ジェムソンはブレンデッドのウイスキーなので初心者でも手を出しやすいです。
綺麗なグリーンのボトルに、シンプルかつ気品を感じさせるラベルが似合います。
数十種類試してきて、ウイスキー歴のかなり後半で出会った一品ですが、今回はこのジェムソンについて書きとめていきます。

ジェムソンはストレートで口に含むと、柑橘系由来のような甘味を感じることができます。
これまで紹介してきたどのウイスキーよりも香りが華やかで、人工的でない上品な風味を感じます。
透明のグラスに注ぐと分かりますが、琥珀色よりもやや黄緑色に寄った薄緑色で、見た目にも青リンゴのようなフルーツが頭に浮かびます。
もちろんリキュールではないので加糖されたものは入っていないのですが、アルコール臭さやトゲ、クセは一切感じません。
アイリッシュは系統としてはスコッチが一番近いのですが、グランツやカティサークといった、私が「美味しい」と感じたものよりも頭一つ抜けてジェムソンは美味いです。
何でも、スコッチが通常２回の蒸留で終わるところ、ジェムソンは３回の蒸留過程を経るので滑らかさが際立つんだそうです。
原料にトウモロコシを使用しているそうなのですが、同じくトウモロコシを使うバーボンとは全く風味が異なります。
バーボンのような主張する攻撃性はなく、親和的というか、包み込んでくれる優しいウイスキーです。

飲みやすさと華やかな香りをそのまま楽しむにはストレートもいいですが、時期が合えば私はお湯割りをススメします。
寒い時期にお湯割りにすると香りが立ち、時間をゆっくりと楽しむことができます。
お湯はアツアツよりもほんの少しだけ冷ました方が香り成分の揮発を避けることができます。
本来このような美味いウイスキーは下手に割らない方がいいのですが、暑い時期にはハイボールも美味しいです。
自分的にはもったいないとも思ってしまうのですが、美味しいのだから仕方がないですよね。

公式ページではライムとジンジャーエールのハイボールも紹介されていますから、ハイボールとの相性としては問題ありません。
ジェムソンに充てるのは、私はローストアーモンドが良く合うと思います。
ナッツ系の乾き物であれば全般問題ないと思いますが、ドライフルーツはちょっと避けた方がいいかな、という印象です。
ドライフルーツは酸味が強いので、ジェムソンの風味と口の中で喧嘩します。
料理方面では和食系と洋食系には問題ないですが、中華系には合いません。
でもやはり料理よりは乾き物、ナッツ系が一番合います。

ジェムソンは初の1,500円超えで、この値段を超えると私の中では中価格帯に入ってきます。
近所の酒屋では700mlで約1,800円。量を飲むのん兵衛から見てコスパ的にはあまり良いとは言えませんが、たまの贅沢に買いたくなります。
アイリッシュウイスキーはアイルランド北部で生産されるウイスキーで、酒にこだわりを持つ人はこの地方の生産品は一度はまってしまうと他のウイスキーでは満足しがたくなるといいます。

私はそこまでマニアではなくただののん兵衛ですが、値段が許容範囲であることと、「美味しかった」という記憶が一番強く残っているウイスキーなので、最後に皆さんに紹介させていただきました。

皆さんも色々試してみて、自分に合う一品に巡り合えるといいですね。