なぜウイスキーは種類によって味が違うのでしょうか。辛口なものもあれば、バニラやフルーツのように甘口のものもあります。味の違いは一体何から生まれているのでしょうか。ここでは、ウイスキーの味の違いを生み出す原因についてご紹介します。
製法、穀物による変化
ウイスキーは、製造方法や使用する穀物によって味わいが変わってきます。ウイスキーは主に、大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物類を原料にしています。
例えば、モルトウイスキーを作る際は、原料となる大麦麦芽の選び方によって味が変わってきます。大麦麦芽によってでんぷん質やチッソ成分が異なるためです。アイリッシュウイスキーは、麦芽にピート香をつけないままで、蒸留を複数回行います。
そのため、滑らかで軽い口当たりと味わいが実現します。アメリカンウイスキーは、内側を焦がしたオーク樽を使って製造するため、強い香りと味わい、クセが特徴的です。このように、製法や穀物が違うだけで、味わいが変わってきます。
土地柄によって変わる味
ウイスキーの味は生産する土地によっても変わります。各産地ごとに味の特徴があるのです。ジャパニーズウイスキーの味はどれも繊細ですし、アイルランドで作られるアイリッシュウイスキーは、クセが少なく滑らかで軽快な飲み口です。
スコットランドなどで作られるスコッチウイスキーは、ピートが強くピーティーな香味で、アメリカで作られるアメリカンウイスキーは強い香りと強い味わいが特徴的です。
カナダのカナディアンウイスキーはスムーズで軽やかな味わいです。
このように、世界5大ウイスキーはすべて生産地が異なり、味も全く違います。製法や穀物が違うことも理由としてありますが、環境や水が違うことも味に違いが生まれる理由の1つです。
また、気候の違いも異なるウイスキーの味を生み出します。生産地が異なると、ウイスキーの味も違ってきますので、世界5大ウイスキーの生産地と特徴を覚えておくと良いでしょう。
樽の熟成
ウイスキーの味は樽の熟成工程でも変わってきます。通常、ウイスキーを製造する際は、まず大麦などの原料と水を使い、糖化する仕込みを行います。
そして、仕込みで作った麦汁をアルコール分のある発酵液に変えるために、発酵という工程を行います。
その後、発酵の終わったもろみをポットスチルに入れて蒸留し、アルコール濃度を高めます。
最後に、蒸留したてのウイスキー(ニューポット)を、樽の中でじっくりと長期間寝かせます。この工程を熟成(貯蔵)と言います。
ホワイトオークやミズナラ、スパニッシュオークなどの樽を使い、長期間熟成することで、ウイスキーの味が深まり、まろやかになります。
最初は荒い味ですが、長年寝かせることでまろやかで深みのある味わいに近づいていきます。
樽熟成のメカニズムについては、まだ明らかになっていない部分もありますが、蒸留方法や貯蔵場所、樽の種類、貯蔵年数などによっても、味が変わってきます。
ウイスキーの味の違いは、製法や使用する穀物、生産地だけでなく、樽の熟成方法や熟成年数によっても変わるのです。
ウイスキーはさまざまな要因で味が変わってきます。そのため、味の種類がたくさんあり、いろいろな味わいを楽しめます。世界5大ウイスキーのそれぞれの味の特徴は覚えておくと良いでしょう。ぜひ、自分に合ったウイスキーを見つけてみてください。
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