これからウイスキーを楽しもうと思っているのなら「スモーキーさ」について詳しく知る必要があります。スモーキーさは一体どこから生まれるのでしょうか。
1.「スモーキー」とはすなわち「燻香」。その正体は「ピート」
ウイスキーから感じる「スモーキー」さというのはピートが強く関係しています。ピートを感じるのは、ウイスキーを作る際に、原料の麦芽を乾燥させる過程があるのですが、その乾燥させる時にピートを燃やす過程で臭いが付く事が原因となっております。
このピートとはどのような物なのかというと、水生の植物であったり野草などが長い年月をかけて炭化し、地層になって泥のような塊になっている物です。これを泥炭というのですが、ピートは泥炭の中でも炭化がそれほど進んでいない物の事を言うのです。
ピートはウイスキーの本場のスコットランドで暖炉用の燃料として使われていました。その流れでウイスキーに使用する麦芽を乾燥させる際に用いたというのが有力な説になっております。
2.スモーキーなシングルモルト「スモーキー4」
サントリーから発売されているシングルモルト「スモーキー4」は、ウイスキーの原点とも言えるスモーキーさをしっかりと味わう事が出来るウイスキーになっております。近年では、クセのあるピート香を避け、ノンピーテッド麦芽を使用しているウイスキーが主流になってきておりますが、あえて時代の流れに逆行するかのような無骨なスタイルがスモーキー4の個性であり魅力となっております。
スモーキー4は、ラフロイグ、ボウモア スモールバッチ、アードモア、カネマラの4種類から構成されているスモーキーなウイスキーで非常にファンが多くなっております。その日の気分に合わせて選ぶ楽しみなどもあり4種類全てをコレクションされている方も増えております。
3.代表的なアイラモルト、「ラフロイグ」と「ボウモア」
スモーキー4のラフロイグは、4種類の中では最も麦芽フェノール値が高いウイスキーで、その値は40~45ppmとなっております。強い磯の香やどこかお薬のような味わいが個性的なウイスキーで固定ファンの多い種類となっております。
シェリー樽で熟成されて作られているので、スモーキーさの中にも独特な甘みが残る重量感のある味わいです。
ボウモアは、これぞアイラモルトという風格のあるウイスキーになっております。このアイラモルトは、アイラ島で生産されるモルトウイスキーの総称なのですが、とにかくピートを焚き染める量が多いという特徴を持っておりますので、非常にスモーキーな味が人気となっております。
ボウモアも他のアイラモルトと同様に非常に風味豊かなスモーキーさを味わう事ができるウイスキーとなっているのですが、スモーキーさが前面に出るわけではなく、バランスの取れた味わいとなっております。
4.ハイランドの「アードモア」、アイルランドの「カマネラ」
アードモアは、スモーキー4の中でも特に飲みやすいタイプのウイスキーとなっております。実際に口にした方は、記載されているフェノール値よりも柔らかい口当たりとさわやかさを感じています。ピーテッドの麦芽だけでなくノンピーテッドの麦芽も配合しており、絶妙なバランスのウイスキーとなっております。
カネマラは、フルーティさとフレッシュさをしっかりと味わえるタイプのウイスキーになっております。3種類のそれぞれ違った熟成期間の原酒を合わせて作っているので複雑ながら飲みやすいウイスキーとなっております。磯の香が苦手という方におすすめです。
5.ジャパニーズウイスキーにも受け継がれているスモーキーフレイバー「余市」
ニッカウヰスキーが作り上げている本格派のジャパニーズウイスキー「余市」は、広大な北海道の自然が作り上げたピートを贅沢に使ったウイスキーとなっております。
この余市というネーミングは、北海道にあるニッカウヰスキー余市蒸留所から付けられております。
味わいは非常に力強くどっしりとした味わいとなっており、本格的なスモーキーさを味わう事ができるウイスキーとなっております。非常に香りが強いのでウイスキー初心者には向いていないという声もありますが、国産のウイスキーの中では最も深い味わいをしているのは確かです。
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