「なめらかさ」と「スモーキー」さを、じっくり味わうなら「ティーチャーズ」

「なめらかさ」と「スモーキー」さを、じっくり味わうなら「ティーチャーズ」

ブレンデッド・スコッチウイスキーの中でも「なめらかさ」と「スモーキーさ」を兼ね備える「ティーチャーズ」。その味わいの秘密をご紹介します。 2018年03月14日作成

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ブレンデッド・スコッチウイスキーの中でも「なめらかさ」と「スモーキーさ」を兼ね備える「ティーチャーズ」。その味わいの秘密をご紹介します。 2018年03月14日作成

ブレンデッド・スコッチウイスキーの中でも「なめらかさ」と「スモーキーさ」を兼ね備える「ティーチャーズ」。その味わいの秘密をご紹介します。

ブレンデッドウィスキーって?

ウイスキー、特にスコッチウイスキーは、その製造法から大きく二種類に分けられます。原料に麦芽を使ったモルトウイスキーだけで作られた「シングルモルトウイスキー」。そしてモルトウイスキーに穀類を原料とするグレーンウイスキーを混ぜ合わせた「ブレンデッドウイスキー」です。 日本酒やワインを嗜まれる方は、「混ぜた酒」と聞くと胡乱に思われるかもしれません。しかし、ウイスキーではこの「ブレンド」が大変重要です。どのウイスキーをどう配合するかを見極める「ブレンダー」という専門職があるほどです。 「ティーチャーズ」は、名ブレンダーであったウィリアム・ティーチャーが、試行錯誤の結果に辿り着いた「完璧な」ブレンドとして自らの名前を掲げたブレンデッドウイスキーです。

スモーキーな風味の秘密は「ピート」

スコッチウイスキーには独特の臭気や風味があります。この香りや味わいのことを、ウイスキーの故郷・英国では「スモーキー(smoky)」や「ピーティー(peaty)」という言葉で表現します。この「煙臭い」を正確に理解するには、「ピーティー」がどんなものかを知ることが助けとなります。 ウイスキー発祥の地であるアイルランドやスコットランドは低温多湿で、土壌分解が活発ではありません。そのため、植物が枯れても完全に分解されることなく堆積していきます。そうして形成されたのが「泥炭」、すなわちピートで、別名を「草炭」とも言います。 スコッチウイスキーの原料である麦芽(モルト)は、大麦を発芽させたあとに成長を止めるため、乾燥させなくてはなりません。ピートは炭素含有率が低く水分量が多いので燃焼効率はよくないのですが、入手しやすさも含め、モルトの乾燥には極めて適していました。また、ピートは、採掘された土地の植生や気候風土によって違った性質を持っているため、蒸溜所ごとにさまざまな風味を持つウイスキーが生まれたのです。 しかし、中には強すぎるものや、尖った個性をもつものもあります。個性豊かなモルトウイスキーの中から、それぞれの性質を理解して選び、互いを引き立たせあるいは融和させる配合を見出だすのが、ウイスキーにおける「ブレンド」の役割であり、ブレンデッドウイスキーの魅力でもあるのです。

「クリーミー」と賞賛される「ブレンド」の妙

「ティーチャーズハイランドクリーム」の名にあるとおり、ティチャーズの味わいにおいて「クリーミー」さは欠かせない魅力です。これは主に、口当たりのよさ、ほのかな甘みと滑らかな飲み心地を評したもので、いわゆる乳製品の「粘度のある食感」のことではありません。 ティチャーズには、30種類以上のモルトウイスキーが使われています。さらに3種のグレーンウイスキーをブレンドしていますが、モルトの割合は45%です。他のブレンデッドウイスキーではグレーンとモルトの割合は70:30が一般的で、ティチャーズのモルト含有量は多い方となります。にも関わらず、その味わいはクセがなく、口にしたときに優しく、柔らかくなじむ――そんな飲み心地を実現させたのがブレンドによるものなのです。 「クリーム」には「粋(すい)」、「真髄」の意味もあります。ティチャーズは、まさしく「ハイランドの粋」を体現したスコッチウイスキーなのです。

キーモルトはスモーキー4のひとつ「アードモア」

ティチャーズのブレンドに使われているモルトウイスキーの中でも、主軸となるキーモルトが「アードモア」です。 「アードモア」はスコッチウイスキーの伝統的な産地の一つであるハイランドで製造されています。ピートによる「ピーテッド」とピートを使わない「ノンピーテッド」の麦芽を使用することで、スモーキーさを残しながらも軽く明るい絶妙な飲み心地を生みだしているとされています。 「ティーチャーズ」は、「アードモア」の持つスモーキーさと優しさ、華やかさを最大限に生かしたブレンドです。実は、このアードモア蒸溜所は、「ティーチャーズ」のブレンドモルトを確保するために、ウイリアムの息子によって建設された蒸溜所なのです。ウィリアムが「ティーチャーズ」の発売を開始したのが1863年で、息子のアダムがアードモア蒸溜所を建設したのが1898年。そして今日まで、二つのブランドは約120年の歴史をともに歩んでいるのです。

「ティーチャーズ」が教えてくれる、ウィスキーらしさ

ブレンデッド・スコッチウイスキーの本格的な味わいと奥深さを教えてくれる「ティーチャーズハイランドクリーム」は、その実力に対して価格が700mlで1000円台と、大変リーズナブルな一本と言えます。飲み方は、スモーキーさを楽しみたい方にはロックかストレート、軽い飲み心地を楽しみたい方はトワイスアップがおすすめでしょう。また、ウイスキーを飲み慣れていないけれどスモーキーさを味わいたいと言う方はハイボールをおすすめします。割合は、1:3もしくは4で炭酸水を多めに。炭酸の泡とともに弾ける香りとまろやかさが、あなたの舌を楽しませてくれるでしょう。
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