スコットランドの北の果てに位置する、大小合わせて70あまりの島からなるオークニー諸島は、8世紀以降、数百年にわたって長い間バイキングによって支配されていました。そのオークニー諸島の中心に位置するメインランド島のカークウォールにあるのが、
「ハイランドパーク」蒸留所です。現在は新たに蒸留所が建設されたため最北ではありませんが、スコッチの中では最も寒い地域でウイスキーをつくっています。緯度は北緯59度で、北海道の最大北緯45度と比べてもかなり北に位置していることがわかります。
1798年に創業しましたが、蒸留所がある場所は、かつて伝説の密造者といわれたマグナス・ユウンソンの密造所があった場所だと伝えられています。蒸留所の名前は、立てた場所がハイパークという地名だったことに由来。現在でもフロアモルティングを続けている数少ない蒸留所のひとつです。また、アイラ以外でピートを炊き込む蒸留所でもあります。ただ、ピートの種類は、アイラとは異なります。
寒冷地で強風が吹き荒れる土地柄なので高い木が育たないため、低木のヘザーなどが主に堆積し、ピートとなります。このピートが、アイラとはまた異なった、甘さを含んだスモーキーさを醸し出しているのです。
「ハイランドパーク」は19世紀後半、デンマーク王やロシア皇帝などが招待されたパーティにおいて「最上のモルトウイスキー」と称され、一躍有名となりました。オークニー諸島に住む人々が「北の巨人」と誇る一本が、
「ハイランドパーク」なのです。
おすすめの飲み方は、ストレートかロックです。ピートが効いているウイスキーの中では甘くまろやかなので、女性にも評判です。少し強いという方には、水割りやソーダ割もおすすめで、食中酒としても十分楽しめます。イメージとしては、白ワインなどに近いでしょうか。バイキングの剛健な男性像をイメージさせるラベルですが、香りや味わいは非常に女性的で、やさしく飲みやすいシングルモルトです。