今回は、シングルモルトとは違う、スコッチのブレンデッドウイスキーを紹介します。ブレンデッドとは、モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒を組み合わせ、風味を整えたウイスキーのことです。
現在は、シングルモルトが流行していますが、市場に出回る約8割のウイスキーは、ブレンデッドです。個性の強さが魅力なシングルモルトとは異なり、バランスの良い味わいが特徴と言えるブレンデッドの中から、今回はスコッチを5種類紹介します。
バランタイン
さまざまな原酒の味わいを織り交ぜるブレンデッドウイスキーの中でも、その風味が非常に安定してバランス良いために、信頼を得ているのがバランタインです。「バランタイン17年」は、究極のスコッチとも言われるほどでした。
現在は「バランタイン ファイネスト」、「12年」、「17年」、「21年」、「30年」などが販売されており、「バランタイン30年」は、スコッチの極致ともいえる存在感を放っています。「バランタイン17年」はさまざまな香りが融合して、複雑で甘美的です。麦芽の甘い香りとフルーティさに加えて、ピート香によるスモーキーな香りが鼻の奥をくすぐります。
味わいは、果実を思わせるまろやかな甘味の奥にスモーキーさも感じられます。ファイネストや12年は、割って飲んでも美味しいですが、17年以降のバランタインは、ぜひストレートかロックでゆっくり味わってください。
シーバスリーガル
スコッチのブレンデッドウイスキーの中で最も日本に近い存在だといえるのが「シーバスリーガル」でしょう。その中でも、日本文化に深い理解があるマスターブレンダー(原酒を混ぜ合わせる総責任者)のコリン・スコット氏が、日本への敬意を込めてつくったという一本があります。
それが「シーバスリーガル ミズナラ」です。日本固有種のミズナラの木樽で熟成させたウイスキーで、シーバスの王道ラインナップ「12年」「18年」「25年」と飲み比べしてみるのも楽しいでしょう。「シーバスリーガル ミズナラ」の香りはフルーティさが際立ちますが、甘いだけでなくしっかりとしたコクも感じられます。味わいはまろやかで飲みやすいです。
ジョニーウォーカー
スコッチウイスキーで世界一の販売量を誇るのが「ジョニー・ウォーカー」のブランドです。驚くべきことに2位の「バランタイン」に約3倍の差をつけます。誰にでも好まれるような風味とその美味しさ、そして絶妙なバランスが世界中で楽しまれる理由です。
その中でも、日本で「ジョニ黒」と親しまれてきたのが「「ジョニーウォーカー ブラックラベル」です。香りはほかのブレンデッドよりよりピートが効いており、複合的な中でもスモーキーな香りが際立っています。味わいは比較的軽く、甘さとスモーキーさのバランスがとても良いです。ソーダで割っても、ストレートやロックでも、お好みで飲んでみてください。
ザ・フェイマスグラウス
続いては、スコットランドで最も飲まれているブレンデッドウイスキーです。スコットランドの国鳥であるグラウス(雷鳥)がラベルに描かれています。恐らく、「鳥のウイスキー」と言えば、バーテンダーの方に伝わるでしょう。
日本では、そこまで有名ではないですが、現地スコットランドでは絶大な人気を誇ります。香りは、まろやかでしつこくなく、バランスの良さが感じられます。味わいも香りと同様バランスが良く、比較的あっさりしています。ウイスキーカクテルを作る際によく使われる一本でもあります。
ロイヤルハウスホールド
最後の一本は、少し異色のウイスキーです。こちらは、皇太子専用のウイスキーとして誕生し、英国王室の特別な許可によって、日本での販売が許されているもの。価格もこれまで紹介したウイスキーとは一線を画しますが、希少な原酒ばかりをブレンドした王室の為のウイスキーなのです。
非常に珍しいウイスキーなので、バーで見かけたらぜひ飲んでみてください。香りは、穏やかですが非常に複雑で、「気品漂う」という表現がぴったりです。味わいもバランスよく、ゆっくり味わってほしいウイスキーです。
最後の「ロイヤルハウスホールド」以外は、シングルモルトと比べると非常に廉価で手に入るものも多いので、家に置いておきたいウイスキーといえます。
そして、バーに出向いた際には、自分が持っているウイスキーの年数、グレードより一つ上のものをオーダーする、というのもおすすめの楽しみ方です。
- ウイスキー銘柄 - スコッチウイスキー
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