スコッチは、いくつかの諸島を含むスコットランドとイギリスの北およそ3分の1でつくられているウイスキーです。
北海道より緯度は高いですが、メキシコ湾流(暖流)と偏西風の影響で西側の気候は緯度のわりに穏やかで、東側は冷涼で雨も少ないという特徴があります。島国特有のさまざまな気候条件から、スコッチを分類する際、大きく6つの地域に分けます。
ハイランド地方のひとつで、スペイ川周辺を中心とするスコットランド最大のウイスキー産地です。ウイスキーづくりに最適の環境がそろっていると考えられ、スコットランドにある約半分の蒸留所が集まっており、ウイスキーの聖地」としても有名です。
地域に代表されるウイスキーにはこと欠きません。初の政府公認蒸留所となった
「ザ・グレンリベット」、「シングルモルトのロールスロイス」と評される
「マッカラン」など、地域のみならず、スコッチを代表するウイスキーの蒸留所がスペイサイドに集まっています。
キャンベルタウンはハイランドの最も南、キンタイア半島先端の街です。竹鶴政孝が研修で訪れるほどのウイスキー生産の中心地でしたが、現在は3箇所の蒸留所しか残っていません。
しかし、近年、再び勢いを取り戻している地域でもあります。キャンベルタウンを代表する蒸留所は、「スプリングバンク」で、風味の全く異なる3種類のウイスキーを生産していることで知られています。
アイランズとは、スコットランドに位置するもののうちアイラ島を除く島々の総称です。それぞれの島1つ、あるいは2つの蒸留所があり、比較的性個的なウイスキーをつくるところが多いです。
そのため、同じ地域でつくられていても、それぞれのウイスキーは全く別物として考えたほうがベターです。アイランズの代表的なウイスキーを挙げるならば、スカイ島の
「タリスカー」、アラン島の「アイル・オブ・アラン」などがあります。
スコッチを大きく分類する6つの生産地を紹介しました。地方によって共通する特徴をもつウイスキーも多くありるため、大まかな生産地の区分を覚えることは、ウイスキーの楽しみ方を豊かにし、自分の好みのウイスキーを探すひとつの手掛かりにもなります。
一方で、それが全てのウイスキーに当てはまるわけではありません。例えば、アイラのウイスキーなのにピートがほとんど感じられない
「ブナハーブン」というウイスキーもあります。ぜひ、地域を代表するようなウイスキーを一度飲んでみて、その個性の違いを感じてみてください。