淡い緑のボトルに帆船のラベルが特徴的なスコッチのブレンデッドウイスキー
「カティサーク」。帆船は19世紀に活躍したクリッパー(快速帆船)で、「海の女王」といわれたカティサーク号です。
中国、インドからロンドンへ紅茶を運んだことからティークリッパーとも呼ばれました。いかに早く航海をするかに命を懸けていた男たちが大勢いた時代。そんな時代を代表する「海の女王」の名前を冠したウイスキー
「カティサーク」は、一体どんなウイスキーなのでしょうか。
香りはオイリーで、なめらかな味を連想させます。加水することによって花開くウイスキーともいえるでしょう。加水によって奥に隠されたフルーティさが香り出します。
味わいは非常に軽く甘さもあり、飲みやすさを感じられます。味わいの方も、加水により美味しさが花開きます。そのため、ストレートで飲むより、水割りやソーダ割にする方が良いでしょう。
「カティサーク」を生み出したベリー・ブラザーズ&ラッド社(BBR)の創業は1698年。当時はコーヒー豆や香辛料を扱う商社でした。18世紀半ばにワイン・スピリッツ商に転身した後、ウイスキー業界に参入したのが1923年。
「カティサーク」の登場です。
「グレンロセス」を中心としたブレンデッドであり、アメリカへの輸出を狙ったものでした。1920年に始まったアメリカの禁酒法時代を徹底的に自社調査し、アメリカ人の嗜好に合うライトで飲みやすいウイスキーを完成させたのです。
ラベルのモチーフになっている高速帆船カティサーク号は、数多くの記録を打ち立て、イギリス海洋史にその名を残しました。
1887年に羊毛を運んで、オーストラリア・イギリス間を69日間で航海した記録は未だに破られていません。しかし、高速帆船の時代が終わると、カティサーク号はポルトガルへと売却されてしまいます。この船がイギリスに買い戻されたのは1922年で、ウイスキー
「カティサーク」が発売されるちょうど1年前です。
当時、この船が話題になっていたことが、ウイスキーの名前に影響を与えました。海へのロマン、そしてカティサーク号の歴史とその勇敢が人気を呼び、
「カティサーク」は一躍有名になったのです。
ストレートよりは、加水されたロック、水割りやソーダ割の方が
「カティサーク」の味を堪能できるでしょう。
ストレートでは、熟成年数の若さからアルコール臭が鼻につくかもしれません。加水によって
「カティサーク」の奥に隠されたフルーティな味わいが開きます。
非常に飲み口が軽く、飲みやすいウイスキーなので、ウイスキーが苦手な方や、強いお酒が苦手な方、ウイスキーを初めて飲む方におすすめしたいウイスキーです。